アメリカ人というか、米国や欧州をはじめ海外の人と働いて特徴的だった出来事の1つに「バケーション」という文化があります。
一番長く働いていた会社では、「金融」を扱っていました。
その中でも、株式投資という日々状況が変わるナマ物。
株式投資の情報を発信するにも僕たちは素人なので、プロのアナリストの情報をお届けするビジネスをしていました。
そこでは、凄腕のアナリストが日々私たちの代わりに分析を行ってくれるのですが…
あの人たち、フツーにバケーションを楽しむんですよね。
短くても1週間。
長いと1ヶ月。
「いやいや、市場毎日動いてるのに休むんかい」
と最初は思いましたが、実際メインのアナリストが休んでも、うまく分析してくれるリサーチチームがあったり、スクリーニングのシステムが構築されていたりと、「仕組み」で回るようになっていますから、仕事の運営上は問題はない。
アメリカでは、こうしてバケーションをとって休むことを「充電(リトリート)」と呼ぶそうです。
一旦休んで、英気を養うことで、パフォーマンスを上げる。
よく聞く話ですが、なかなか実行に移すのは難しいですよね。
連休に旅行に行って、帰ったらリフレッシュはされた感じはするけど、結局なんか疲れてる・・・休んだんだか休んでいないんだかわからん・・・
親がそんなことを言っていたのを思い出します。
ではバケーション文化のあるアメリカだからみんな休みをすんなり取れているのか?と言われるとそうでもないらしく、特にビジネスマンからすると取るのが難しい傾向にあるそう。
それは制度的な問題ではなく、メンタル的な問題。
アメリカで「リトリート」は軍事において「退却(リトリート)」というそうで、そんな背景から(負けた気がして)踏ん切れない人も多いのだとか。
「休むのは良くない」という日本人の感性とはまた違ったアプローチですが、なかなか休めない人もたくさんいるようです(それでも日本人よりは全然休んでるんですが)。
ニューヨークタイムズのレポート『ストレスから逃げる人、戦う人』によれば、ビジネスマンの夏休みを5つのタイプに分けたそうです。
1:パワープレイヤー
休みは取るけど、オフィスから離れない。
有給使っても会社にいる人いますよね。あれです
2:ストレスファイター
旅行先でスポーツやダイエットに勤しむタイプ。
「ダイエットという任務で派遣されてきた」と皮肉られていました。
3:スケジューラー
休みの日も日程をビッチリ決めないと気が済まないタイプ。
常に刺激を受けたい人。一緒に旅行行きたくない。
4:逃亡者
ストレス発散のためにパーティをしたり、夜更かしするタイプ。
疲れてるはずなのにクラブに行く先輩がいて怖いと思いましたがあれば逃亡者だったのか。
5:イカサマ師
休んでどこか旅行に行ってる間も顧客に会ったり、フラフラしてると思いきやリサーチをしたり、資料に目を通したり、実質働いてるようなタイプ。
僕は5ですね。イカサマ師でした。ポーカーは弱いのに。
あなたはどれでしょうか?
どれも微妙そうですが、やはりニューヨークタイムズはこの5つどれもダメだと言っています。
充電という手段で、「時間という縛りから離れる」という目的を達成しなければならないのに、どれも達成されていない。
きちんと環境を整備して、時間の牢獄から抜けることで、滅多に声を上げない自分の欲求や主張がわかるようになったり、いかに普段の自分の仕事がムダだったか?ということがわかるそう。
常々、アメリカは日本と違って「仕組み化」が上手いなと思いますが、こうしてリトリートに言って、帰ってきて、「あ、ここができてないな」「この指示がなかったな」と言った振り返りをすることで仕組みがうまく回るようになっているのかなと思いました。
ゆえにジョブ型採用で世の中が回るんでしょうね。
休暇のコツ
休暇するにもコツが必要だそう。無闇に旅行すればいいってもんじゃないと。
時間に縛られないようにするためには、
・人に会わない。
・時計をつけない。
・用事を作らない。
散歩したり、ぼーっとしたり、ご飯の時間なんか考えずに、鳥を眺めたりしてただ時間を過ごす。
こうすることで、周り回ってパフォーマンスが上がるのだそう。
そして、充電のルールは、
・一人になること
・自然に触れること
・ルーティン(儀式)を作ること
家族とどこかに行くのではダメだということですね。
モーツァルトはこう言っていたそうです。
「元気で、一人っきりになっている時にどんどんアイデアが湧いてくる」と。
内なる声は外界と触れることで聞こえなくなりますが、一人になれば、芸術家じゃなくても、人生の方向を考える時には聞こえるようになりそうです。
60代でお金を腐るほど持っていて、なぜかよくヨットに乗っているお爺さんがいましたが、「一人でヨットに乗ってる時が落ち着くんだよ」と言っていた理由が分かったような気がします。
「とはいえ現実は…」となかなか休めないとは思いますが、個人的にはそういう一生懸命な人は病んだ時に旅行に行けばいいと思います。
僕も実際、病んだ時に石垣島に5泊6日で何の予定も立てずに行ったんですが、振り返ってみても、あれは良かったなと思います。
誰にも会わず、海をただ眺めなら、日が沈むのを待つ。
思ったことや振り返りをノートにしていく。
働くのが嫌になっていったのに、あまりにも暇すぎて「働きたい」という感覚になりました。
流石に5泊6日は長すぎましたが、今思えばその長すぎたのがよかったのかも。
元来、人は基本的に「誰かの役に立ちたい」生き物ですから、バケーションでぽけ〜っとしていると「何のために生きているんだろう」と思って病んで旅行に行ったのに、休んでいるとそれはそれで「何のために生きてるんだろう」となります。
実際、今これを書いているのはリゾート地のビーチなんですが、一回仕事から離れて観光したりすると、このブログのアイデアやらメルマガのアイデアやら広告のアイデアがポンポン浮かんできます。
バケーションを年に1~2回くらい取れば、それを楽しみに頑張れますし、むしろこっちの方が効率がいい、このバケーション制度がない日本は非効率なんじゃないかとすら思います。
ほどほどに息を抜くのが、いいクリエイティブのコツと言えるなと、身をもって体感しました。
P.S.
とはいえ、アメリカの彼らは年末年始という概念はありません。我々は12/26あたりから1/5あたりまで休みますが、彼らはギンギンに12/30,31まで働いて、1/1だけ休んで、1/2から通常営業です。
そして、お盆休みもありません。8月は普通の月と同じで営業してます。そういう文化の違いはありますが。
まあ、どっちがいいかは人それぞれとはいえ、個人的にはバケーションがある方がいいですね。
中途半端に数日休みがある方が切り替えしづらくてしんどいので。
来年のバケーションはどこに行こうかな。